『100 Fastest-Growing Companies 2012』の詳細
『100 Fastest-Growing Companies 2012』で選出された会社を国別で見てみますと圧倒的にアメリカ国内の企業が多いです。隣国のカナダや中国を除けば、6社がそれぞれの国で1社づつの登場です。
地図に合わせるとこんな感じ。
カテゴリーですが、ほとんどがITインダストリーともいえるTechnologyがトップです。第2位は、一般的には製造業と定義してもいいIndutryが続きます。Health Careは、バイオテクノロジー、製薬業も含まれる分野で、製薬業ではM&Aなど現在でも活発のようです。意外に感じたのが、Energy、Miningが多いということです(ちなみに、Miningは馴染みあるデータマイニングではありません)。それもアメリカ国内の企業ばかりです。テレビでたびたび報道されるような新しいエネルギー関連の成長企業が、躍進していることが読み取れます。Miningの漢字の意味は採鉱; 鉱業で、長年日本では構造不況業種とも言われていた業種ですが、新エネルギーや代替エネルギーを目指す会社が既にこれだけ多く米国内で上場して資金調達していることは改めて驚きました。
Technologyは、32社中、アメリカが25社、中国が4社、日本、アルゼチン、イスラエルが1社づつです。32社のランキングは以下の通りです。日本では、株式会社インターネットイニシアティブ(略称IIJ)が1社のみ選出されています。IIJは、全体の100 Fastest-Growing Companiesで65位、Technology分野の中では、19位です。ちなみにTechnology分野の3位は、Appleです。Profit growth分野では、57位。先だって、まつもとゆきひろさんが、Newsweekの特集「ネットの支配者100人」に日本人で唯一選出されたことに感動して大騒ぎしてしまったのですが、今回も感慨深いものがあります。
< 100 Fastest-Growing Companies - Technology ランキング>
2 Baidu
3 Apple
4 IPG Photonics
5 3D Systems
6 priceline.com
7 Acme Packet
8 TTM Technologies
9 MercadoLibre
10 Hollysys Automation Technologies
11 Opentable
12 Netgear
13 Ultratech
14 VMware
15 F5 Networks
16 Coherent
17 Riverbed Technology
18 EZchip Semiconductor
19 Internet Initiative Japan
20 Rackspace Hosting
21 Cymer
22 NetApp
23 Lam Research
24 SolarWinds
25 Broadcom
26 NetEase
27 AsiaInfo-Linkage
28 Cognizant Technology Solutions
29 Ebix
30 Semtech
31 Super Micro Computer
32 Portfolio Recovery
この Technologyの企業を観て選出されたトレンドを一般化することは容易ではないですが、大きな意味でインターネットと親和性の高い企業のように思えます。やはり、クラウドや仮想化、VoIPなどのネットワークテクノロジーをベースにした企業が牽引していると言えます。楽天が中国撤退、ブラジル新規参入したニュースも久しいですが、EC企業も思ったよりグローバル化されていない現実を感じました。その国の商習慣の理解が必要なのか、その企業の現地での既存ビジネスモデルとの相乗効果の強みが不可欠なのか、一筋縄ではいかないのでしょう。参入障壁は低いかも知れませんが、本質的に差別化しづらいのかと感じます。カールフールが鳴り物入りで日本に来たことと同じなのかもしれません。カールフールは、早々に日本を撤退して中国にフォーカスすることを表明しました。この見切りの早さは時間が解決することだけではないことの意味かも知れません。
この32社は、正直、名前を知らない企業も多かったのですが、チラチラ見る範囲ですが、面白そうな会社が多いので時間ある時に再度ゆっくり見ることにします。